日本人は圧倒的にプレゼン下手だとよく言われますよね?
皆さんはいかがでしょうか?
プレゼンに自信のある方もない方も、テレビやTEDでプレゼンの上手い外国人を見て、思わず嘆息してしまったことはあるのではないでしょうか?
では歴史上で一番上手いプレゼンターは誰だったのでしょうか?
オバマ前大統領は「Yes We Can!」で人々を熱狂させました。
キング牧師の「I have a dream」は今見ても鳥肌が立ちます。
クリントン元大統領は、人々を魅了する「人たらし」的なスピーチの名手。
レーガン元大統領も「人たらし」として有名でした。
人間的魅力の話をするなら、ケネディー元大統領も忘れてはなりません。
音源は残っていませんが、リンカーン元大統領の「 ゲティスバーグ演説」の現場の熱狂も容易に想像できます。
熱狂を悪用したヒトラーを最強に挙げる人もいるかも知れません。
そしてプレゼンといえば、もちろんスティーブ・ジョブズの名前も忘れてはいけません。
これらの人は皆本当に素晴らしいプレゼンターです。
誰がよく、誰が悪いということはありません。
皆さん最高のプレゼンターであり、甲乙をつけることは不可能です。
しかし歴史的影響力という観点で言えば、もっとも影響力のあった人物を一人挙げることができるかも知れません。
それはギリシャの偉大なる哲人アリストテレスです。
アリストテレスは紀元前300年代半ばに活躍した哲学者です。
彼は「弁論術」を記し、現在のプレゼンテーション理論の基礎を作りました。
「弁論術」は英語で「(Art of) Rhetoric」と訳されているため、レトリック(修辞学)、つまり単に言葉を修飾する技術と勘違いされることが多いのですが、実は議会、法廷、公衆の面前で魅了、説得するための技術書なんです。
というのも当時のアテネは直接民主政だったので、多くの人の面前でプレゼンして合意を得る必要性が実際にあったんですね。
そしてそのためのスキルを体系化したのがアリストテレスだったのです。
アリストテレスは、人々の説得にインパクトを与える要素は3つあると言っています。
それはLogos(ロゴス)、Ethos(エトス)、Pathos(パトス)です。
Logosとは理屈とか論理、Ethosとは性格、習性、気風、そしてPathosが感情・感動・情熱です。
このことをプレゼンに置き換えると「何を」「誰が」「どうやって」話すかによって、説得のインパクトが決まってくるということなんです。
つまりプレゼンは話す内容(ロゴス)だけでもダメ。
あなたがどういう雰囲気を醸し出して(エトス)、
そしてどのように相手の感情に訴えかけるか(パトス)が大事だということなんです。
先に挙げた人、今プレゼンターとして活躍している人は皆、自覚的無自覚の差はあるかも知れませんが、アリストテレスの「弁論術」の影響を受けているんです。
そういう意味でアリストテレスは最強なんですね。
ここまで書いておいてちゃぶ台を返すようですが、そうはいっても誰が最強かなどという議論は本来意味はありません。
大切なのは、あなたもこの偉人の残してくれた叡智を自分のプレゼンやセールストークに活かして、自分のゴールをきちんと達成することができるかどうかですよね。
どうぞこれからはLogos、Ethos、Pathosを存分に意識してあなたのプレゼンテーションを伝わるパワフルなものにしてください。